急に取引を打ち切られた

「風柳絮を吹けば毛毬奔る」(かぜ、りゅうじょをふけば、もうぎゅうはしる)という禅語があります。


風がさっと吹くと、柳絮(綿毛を持ったヤナギの種)が、綿くずのように飛び散る様子のことを形容したものです。

 

「柳絮」としては、風よ吹くな、と言ってみても、しっかりと柳の木に掴って(?)いたとしても、自然現象たる風の強さには勝てません。コロコロと転がり散るだけです。

人間社会にもこれと同様なことがたくさんあります。自分の意志ではどうにもならないことです。


例えば、取引先が倒産し多額の不良債権が発生した、親会社の意向で突然取引が打ち切られた、勤務先の会社が業績不良のため吸収され、その結果リストラが行われ、会社をやめなければいけなくなった等々、何れも自己の都合によってそうした事情を招いた訳ではないことどもです。

 

泣いても喚いても、事態が好転するわけではありませんし、事実を事実として受け入れざるをえません。


もがけばもがくほど深みにはまります。
自然界のみならず、人間社会も「風柳絮を吹けば毛毬奔る」ですから、時には、柳に風と受け流し、余りに、目くじらを立てないことが必要です。