破産宣告はそれ以上でもそれ以下でもない

この世は取引社会です。取引社会はお互いの信頼関係に基礎をおいています。

例えば、売買とは売主が買い主に商品を引き渡し、買い主は代金を売主に支払います。

このとき、商品を先に渡して、売主は買い主から約束した期日に代金の支払いを受けられると信頼します。

しかし、ここで、買い主が支払わないという事態が起きたとします。

これは大変なことになりました。

経済取引の秩序が乱れてしまったのです。

 

このように、事業を行うものが約束を守らなければ、経済秩序が乱れます。

自己負担している債務を継続的に支払えないと自分が考え、他人もまた考える状態に陥ったのが破産者です。

つまり、破産宣告を受けるということは、通常の経済取引の社会からの脱落を意味します。以前のように自由な意志に基づく、仕入れや売却などは認められません。

破産者は経済取引秩序の前提となっている、約束を守るという基本的秩序を破壊したのですから、実業界より脱落した者として取り扱われても仕方ありません。

一方、破産宣告を受けても、そのこと自体は、それ以上でもそれ以下でもありません。破産者になったからといっても、人間が代わるわけでもありませんし、命をとられるものでもありません。

しかし、そういう風に割り切れないのが人間です。

破産すると、この世が終わるとまで考えて、自ら命を絶ってしまう人さえも出てしまうことがあります。 こういうことだけは避けなければいけません。

こういう時の為に我々弁護士などの専門家がいるのです。専門家の意見を聞いて、淡々と処理しましょう。

自分の人生に責任を持つのです。投げ出してはいけません。

破産なんて気にせずに、また頑張って復活するんだという気概を持つべきです。

やる気さえあれば、誰でも出来ることなのです!